金原ひとみ 著 星へ落ちる

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金原ひとみ 著
「星に落ちる」
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後に読んだ、こっちの方が、
登場人物たちのがんじがらめ感が
どうしようもない感じで、印象には残りました。
共感はこっちもできないわ~


短編が5編、語る人を変えてかわりばんこにあるんです。
「ハイドラ」も「星に落ちる」も、ひとり言をずっと読んでいるようで
でも「星に落ちる」は3人分のひとり言だからそりゃ残るのかもしれません。

で、ここまで、自ら進んで病んだ人が友達にいなくてよかったなあと。
友人だったらそら心配するけど、
結局本人が、自分で決めてそっちに行ってるしやってるから、もどかしくなりそう。つかもどかしい。

でもこの話はべつにもどかしくはなく面白い。
そういう状態を書いているんだな、ってのが分かるから、
こうしたらいいのに!!とか思わない。
「こうしたらいい」余地もあんまりないんだけど^^;。


話の好き嫌いとは別で、登場人物にまったく好意がもてないから、
感情移入したり、想いが深くなったりしないんだろうか。
しなくても面白いからいいと思う。


書評とか他の感想で読んだ、人ごとっぽいとか現実感がないとかって意見はこのあたりから来るんじゃないかと思ったり。


5篇目を読んでるあたりであまりの救いのなさに
「この!こいつが悪いんやんか~もお~!」って逆におかしくなってきて、爆笑しながら読んでました。


とりあえず、お前のせいや!!!って言ってやりたい人のひとり言はなかったので、
その人の気持ちを読んでみたいなあと思う。
おまえのせいで3人ほど壊れかかっとるがな。おまえほんまはどーしたいねん。
みたいな。


この人の対応が違ったら話はまた変わってくるのか、
周りの病んでいる人たちはそれでも病んで行ってしまうのか、
そこは筆者はどんな捉え方で書いてるんだろーかとその辺も気になりつつ。
だからこの人サイドはないのかな とか。

返すまでにもー何回か読んでみたら新しい発見があるかも。

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追記★ 翌日もっかい読んでみた
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とりあえず、一人は救われたようなのでよかったんかなと言うことに気づいてみた。
一旦は病みぎみになったきっかけの状態が解消されたから
きっと一旦はマシになるんじゃなかろーか。
でもきっとエンドレス。


お前のせいや!!て思ってた人は、
結局自分は悪くない(と思ってるであろー。というか気付かないであろー。もしくは思っているとしてもその部分がすじ違いであろー。)のに、
近しい人がおかしくなっていくので、
まあこれはこれで不幸かな。自業自得でよいんじゃないでしょうか。
って感じ。

とか言ってたら、そして筆者の意図も発見したよ。
なるほど~確かにそうやわ~。恋愛中心で生きてないのね・・・。

「違う次元で生きていると思うんです。「彼」は物語の中心人物ですが、ドーナツの穴みたいなもので」
http://www1.e-hon.ne.jp/content/sp_0031_i_kaneharahitomi.html


んー。
でも面白い話です◎
高校とかで読書感想文に書かれたらちょっと怖いかなあ~・・・
でもきっと視点が全然違うと思うので、読んでみたいわ。感想文。